2014年07月19日

脂質異常症とは?(3)

●脂質異常症とは?(3)

●投薬による治療

スタチン系などの脂質降下薬で、ある程度血中の中性脂肪やコレステロールを下げることができ、合併症の発症リスクが下がるとされる(→根拠に基づいた医療)。

ただし、薬剤治療は脂質異常症の原因を解決するものではないので中止すればまた以前の値に戻ることが多く、そのことを指して「一生やめられない」と表現されることもある。

これは、麻薬のように身体依存性があったり、ステロイド製剤のように急に中止できないという意味ではない。

根本的なコントロールには生活改善が望まれるが、遺伝素因も大きいため必ずしも生活習慣だけで治療できるものではない。




高LDL-Cの治療

HMG-CoA阻害薬であるスタチン系が第一選択となる。

重大な副作用としては肝障害と骨格筋障害が知られている。

筋肉痛といった症状が出現することが多く、筋炎や横紋筋融解症は極めて稀である。

筋疾患や甲状腺機能低下症が認められる場合は横紋筋融解症のリスクが高まるため注意が必要である。

高齢者や肝機能障害、腎機能障害がある場合も注意が必要である。

重症(目標値よりも50 mg/dL 以上高い)であればアトルバスタチン(リピトール)、ピタバスタチン(リバロ)、ロスバスタチン(クレストール)が選択されることが多く、軽症(目標値との差が30 mg/dL 以内)ならばプラバスタチン(メバロチン)、シンバスタチン(リポバス)、薬物相互作用が気になる場合はプラバスタチン(メバロチン)、ピタバスタチン(リバロ)が選択されることが多い。

相互作用はマクロライド系抗菌薬、アゾール系抗真菌薬、カルシウム拮抗薬など多岐にわたる。




高TGの治療

高トリグリセリド血症の治療には、フィブラートがよく用いられる。

フィブラートにはHDL-Cを増加させる作用もある。

肝障害、横紋筋融解症のリスクがあり、そのリスクは腎機能障害時に増悪する。

また胆汁へのコレステロールの排出を促すため、胆石症を起こすことがあり、既往がある場合は注意が必要である。

またSU剤やワーファリンとの相互作用も知られている。フェノフィブラート(英語版)(リピディル、トライコアなど)とベザフィブラート(英語版)(ベサトールSR、ベザリップなど)が知られている。

フェノフィブラートは尿酸低下作用もあるが、一過性の肝機能障害を起こしやすく、肝障害のある患者では避けられる傾向がある。



LDL吸着療法による治療

LDLアフェレーシスといわれ、重度の家族性脂質異常症を患う人などに行う治療法である。

患者の血液を取り出し、LDLなど不要なものをろ過して体内に戻す方法で、血液中のコレステロール量は急激に減少するがすぐに元に戻ってしまうため、2週間に1度は治療を行う必要がある。

しかし、これも根本的な解決には至らない。




●脂質異常症に由来する疾患

動脈硬化症

自覚症状はない場合が多いが、血管壁に徐々にコレステロールが蓄積され動脈硬化症が進行することで血液の流れが悪くなる。

特に頭蓋内の血管がつまり、脳の一部が死滅する脳梗塞や、心臓の冠動脈の血管が詰まる心筋梗塞になりやすい。

高血圧、糖尿病、肥満とともに「死の四重奏」と俗称され、現在はメタボリック症候群といわれる。




膵炎

膵臓の病気。

大量飲酒者では高トリグリセリド血症(高TG血症)をきたし易く、よく発症する。

また、リポタンパク質の一種のキロミクロンが著しく上昇するリポタンパク質リパーゼ(英語版) (LPL) 欠損症では、膵炎を来し易い。

乳児で乳を呑んだあと腹痛を来すなどの場合、中鎖脂肪酸 (MCT) を主体とした治療用ミルクを必要とする。

妊娠中に発症した場合、血液浄化療法によるキロミクロンの除去や中心静脈栄養による厳密な脂肪制限を必要とする場合もある。


以上


posted by ホーライ at 10:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 脂質異常症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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