2014年02月11日

コリン作動薬とは

コリン作動性線維に作用し、副交感神経を刺激する薬物である。

コリン作動薬には、ムスカリン作用とニコチン作用があるが、副交感神経作用薬としての働きは前者に相当する。

代表的な薬物としては、受容体に直接作用するアセチルコリン、カルバコール、ムスカリンや、コリンエステラーゼを阻害するフィゾスチグミン、ネオスチグミンがある。

逆にコリン作動性線維を抑制する薬物は、抗コリン薬という。


●アセチルコリン

アセチルコリン(Acetylcholine,ACh)は神経伝達物質である。

副交感神経や運動神経の末端から放出され、神経刺激を伝える。

コリンの酢酸エステル化合物。化学式は CH3COOCH2CH2N+(CH3)3。

アセチルコリンは骨格筋や心筋、内臓筋の筋繊維のアセチルコリンの受容体に働き、収縮を促進する。

自律神経の内、副交感神経を刺激し、脈拍を遅くし、唾液の産生を促す活性がある。

アセチルコリンは酵素コリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)によってコリンとアセチルCoAから作られる。

有機水銀はスルフヒドリル基と親和性が高く、これによりこの酵素の機能が阻害され、アセチルコリン濃度が低下し、運動障害を生じさせる。


通常、生体内で放出されたアセチルコリンは、酵素アセチルコリンエステラーゼ(AChE)の作用で、コリンと酢酸に速やかに分解、除去される。

神経ガスはこの酵素を阻害するため、アセチルコリンが除去されず、痙攣、唾液過多、瞳孔の収縮などの症状がみられる。

一部の殺虫剤にはアセチルコリンエステラーゼを阻害する物質が含まれている。

一方、脳内のアセチルコリンの相対的減少はアルツハイマー病と関連があるとされ、コリンエステラーゼ阻害剤、ドネペジル(商品名アリセプト)が治療薬として用いられている。

一方、脳内のアセチルコリンの相対的増加はパーキンソン病と関連があるとされている。

ボツリヌス毒素はSNARE蛋白を切断することにより、アセチルコリンの放出を阻害する作用がある。

アセチルコリンの受容体は、ニコチン性アセチルコリン受容体、ムスカリン性アセチルコリン受容体に大別され、それぞれニコチン(少量の場合)、ムスカリンを投与したときに作用する。逆にアトロピンやスコポラミンはムスカリン性アセチルコリン受容体を阻害する作用(抗ムスカリン作用)がある。




●ネオスチグミン

ネオスチグミン(英: neostigmine)は、カルバメート化合物の一つで、コリンエステラーゼ阻害剤である。

フィゾスチグミンと並んで、非脱分極性筋弛緩薬の拮抗や、アセチルコリン関連の調節機能の改善に用いられる。

市販の点眼薬にもピント調節機能の改善を目的に、メチル硫酸ネオスチグミンとして含まれていることがある。

ネオスチグミンは抗d-ツボクラリン(以下、ツボクラリン)作用を有し、自律神経節、神経筋接合部におけるAChEを阻害することで、重症筋無力症、ツボクラリンによる呼吸抑制手術、非脱分離極性筋弛緩剤の拮抗に用いられる。骨格筋のニコチン受容体に直接作用するため、消化管運動亢進薬としても使用される。

・作用機序

ヒトでは、ネオスチグミンは特に消化管、神経筋接合部に作用して、AChE阻害作用を示す。

神経筋接合部でのアセチルコリンを増加させて、アセチルコリン受容体で筋弛緩薬との競合的作用により筋弛緩薬の作用を拮抗させる。

フィゾスチグミンのようには血液脳関門を通過し難く、中枢神経にほぼ移行しないため、フィゾスチグミンとは作用や適応が若干異なる。

非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗にネオスチグミンを静脈内注射するにあたっては、緊急時に十分対応できる医療施設において、ネオスチグミンの作用及び使用法について熟知した医師のみが使用すること、と添付文書に明記されている。


・ネオスチグミンは以下のような適応を持つ。

●重症筋無力症

●クラーレ剤(ツボクラリン)による遷延性呼吸抑制

●消化管機能低下のみられる手術後、及び分娩後の腸管麻痺

●手術後及び分娩後における排尿困難

●非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗

●弛緩性便秘症



●ピロカルピン

ピロカルピン(英:Pilocarpine)はアルカロイドの一種で、非選択的ムスカリン受容体刺激薬。

ヒスチジン由来の化合物であり、アルカロイドとしては珍しいイミダゾール骨格を有する。

有機溶媒への溶解性は高くない。医薬品としては塩酸ピロカルピンとして発売されている。

ムスカリン受容体を介して眼圧を低下させるため、点眼薬として緑内障の治療に用いられる。

また、下記の作用から内服薬の形で口腔乾燥症の治療薬としても用いられている。

副交感神経末梢を興奮させるため、汗腺、唾液腺、涙腺の分泌を促進させ、瞳孔を縮小するなどの作用を起こす。

この作用はアトロピンと拮抗することから、アトロピン中毒の治療にも用いられる(逆にピロカルピン中毒の場合はアトロピンが処方される)。

1875年、ブラジル原産のミカン科の植物ヤボランジ(Pilocarpus jaborandi)から発見・命名された。

胃酸分泌や唾液の分泌過多、血圧の低下をきたすことがある。


posted by ホーライ at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | コリン作動薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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