強い痛みをおさえるお薬です。
オキシコドン (oxycodone) とは、アルカロイド系の鎮痛剤の一種。
アヘンに含まれる成分のテバインから合成される。塩酸塩(塩酸オキシコドン)がオキシコンチンの名称で市販されている。
分子式は C18H21NO4、分子量は 315.364、CAS登録番号は 。
中〜高程度の疼痛を緩和するために用いられる。
オピオイド受容体にはたらき鎮痛作用を示すものと考えられている。
中でも、モルヒネに比べてμ2受容体への親和性が弱いとも言われており、便秘や吐き気などの副作用が少ないとされる。
経験上、吐き気もモルヒネにくらべて難治性となる割合が低い。
しかしながら、これは便秘や吐き気対策が必要ないということではなく、使用に当たっては十分な配慮が求められる。
現在日本で発売されているのは、徐放製剤であるオキシコンチン、即効製剤であるオキノーム、ヒドロコタルニン酸との合剤としての注射剤であるパビナールである。
一般にオキシコドン40mgがモルヒネ60mgと同等の効果であるとされている。
高用量で他のオピオイドにはない神経因性疼痛への効果が動物実験でも確かめられており、臨床応用が期待されている。
一方、呼吸困難や咳嗽への効果はモルヒネと同等であるとの論文も見られるが、臨床的にはモルヒネより明らかに弱いという意見も多く、議論となっている。
●【働き】
激しい痛みは心身を疲弊させ、平穏な日々を送るのに何よりの障害となります。このような痛みを無理にがまんする必要はありません。昔と比べ、痛みに対する理解が深まり、その治療も系統的にきちんと行われるようになりました。
このお薬には、痛みをおさえる強力な作用があります。とくに持続する鈍痛に効果が高く、一般的な鎮痛薬が効きにくい各種のがんの痛みに有効です。初めから使うのではなく、他の鎮痛薬で十分な効果が得られないがん性疼痛に限り用います。
●【薬理】
中枢や末梢に広く分布するオピオイド受容体の主要な生理機能として、痛みの神経伝達経路を抑制方向に調整する働きがあげられます。つまり、オピオイド受容体が刺激を受けると、痛みを伝える神経の侵害刺激伝達が直接抑制され、また別の神経系統の下行性抑制系神経を介して間接的にも痛みが抑制されるのです。
この薬は、そのオピオイド受容体と結合することで、強力な鎮痛効果を発揮します。作用点であるオピオイド受容体にはいくつかの種類が知られていますが、鎮痛にかかわるのは、おもにμ(ミュー)受容体、次いでκ(カッパ)受容体です。それら2つのオピオイド受容体に活性を示す強オピオイド鎮痛薬になります。
●特徴
•オピオイドと呼ばれる部類の鎮痛薬です。
そのなかでもとくに強力な麻薬系の強オピオイド鎮痛薬になります。
有効限界がない完全作動薬とされ、用量増加とともに作用も増強します。
WHO方式がん疼痛治療法で第3段階に位置づけられ、中等度から高度の疼痛に適します。
•有効成分のオキシコドンは、ケシの実から採取されるアヘン由来のテバインから半合成されます。
作用のしかたは同類のモルヒネと同様ですが、代謝物の違いなどから副作用が多少軽減されます。
吐き気や便秘、せん妄、かゆみなど、モルヒネに比べれば少ないとされます。
また、腎障害時においても比較的安全に使用できます。
•錠剤とカプセルは効き目が長い徐放製剤です。1時間以内に効きはじめ、約12時間持続します。
持続痛をおさえるための基本薬として1日2回定時服用することになります。
•一方、粉薬のオキノーム散は速放性で効き目が早いです。
15分以内に効いてきますので、レスキュー薬として急な痛みの除痛に役立ちます。
● 効能 :中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
●副作用
重い副作用は少ないのですが、便秘や吐き気、嘔吐、眠けなどを起こしやすいです。
ひどいようでしたら早めに受診し医師と相談してください。
眠けと吐き気は続けているうちに体が慣れて軽くなりますが、便秘は続くことが多いので下剤(通じ薬)で対処します。
異常に強い眠気がしたり、うとうと意識がもうろうとしてくる場合、薬の量が多過ぎるかもしれません。
ことに高齢の人など、過量による呼吸抑制を起こしかねませんので要注意です。
ご家族や周囲の方もその点に気をつけ、異変に気付いたら医師と連絡をとり指示をあおぎましょう。
長く続けていると、体が薬に頼りがちになってくることがあります。このとき急に中止すると、吐き気や嘔吐、頭痛、不安感、震えなど反発的な症状が出現します。ただ、がん疼痛治療においては、強い依存を生じることは少ないといわれています。あまり心配しすぎないで、痛みがおさまる必要最小限の範囲で正しく使用することが大切です。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください •呼吸抑制..意識がうすれる、呼吸が弱い・少ない(10回/分未満)、不規則な呼吸、異常ないびき。
•依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある(徐々に減量すれば大丈夫)。
•錯乱..混乱・もうろう状態、取り乱す、意味不明な言動
•麻痺性イレウス..食欲不振、吐き気、吐く、激しい腹痛、ひどい便秘、お腹がふくれる。
•肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
【その他】 •便秘、吐き気、吐く、食欲不振、口の渇き
•眠気、めまい、ぼんやり
•尿が出にくい
以上