2014年08月10日

ヒスタミンH2受容体拮抗薬について

●ヒスタミンH2受容体拮抗薬とは

ヒスタミンH2受容体拮抗薬(ヒスタミンエイチツーじゅようたいきっこうやく、Histamine H2-receptor antagonist)とはH2ブロッカーとも呼ばれ、胃潰瘍・十二指腸潰瘍といった消化性潰瘍の治療に用いられる薬品である。

その作用機序は胃の壁細胞に存在し胃酸分泌を促進するヒスタミンH2受容体を競合的に拮抗することである。



●開発の経緯

ヒスタミンH2受容体拮抗薬の原型となっているシメチジンはアメリカのスミスクライン&フレンチ・ラボラトリーズ(SK&F、現在のグラクソ・スミスクライン)でジェームス・ブラックらの研究によって合成された。

1964年当時、ヒスタミンが胃酸分泌を促進することは知られていたが旧来のヒスタミンの拮抗薬では胃酸分泌を抑制することはできなかった。

この研究過程で彼らはヒスタミン受容体にH1とH2の2つのタイプがあることを明らかにした。

彼らはH2受容体について何も判っていなかったので、まずヒスタミンの構造を少し変えた薬品を合成し作用を確かめてみた。



最初の進歩はNα-グアニルヒスタミンだった。

この薬品はH2受容体を部分的に拮抗した。

この延長線でH2受容体の詳しい構造が判り、最初のH2受容体拮抗薬であるブリマミドの合成に至った。


ブリマミドはH2受容体に特異的な競合拮抗薬で作用はNαグアニルヒスタミンの100倍であった。

ここにH2受容体の存在は確立した。ブリマミドは経口投与した場合の作用が弱かったのでこれを改良したメチアミド(Metiamide)が開発された。

ところがメチアミドには腎毒性と顆粒球の抑制作用が明らかになったのでさらに改良し、ついにシメチジンの開発に至った。




●薬理作用

ヒスタミンH2受容体拮抗薬は胃の壁細胞にあるヒスタミンH2受容体を競合的に拮抗する。

これにより平時の胃酸の分泌および食物による胃酸の分泌の双方を抑制する。

これには2通りのしくみがあると考えられている。

ヒスタミンがH2受容体に結合するのを妨げるのと、ガストリンやアセチルコリンの持つ胃酸分泌刺激作用が弱まるということである。




●臨床応用


胃潰瘍・十二指腸潰瘍

逆流性食道炎(胃食道逆流症)

ゾリンジャー・エリスン(Zollinger-Ellison)症候群

胸焼け(英: heartburn & acid indigestion)




●ヒスタミンH2受容体拮抗薬の例


シメチジン(商品名:タガメット、アルサメック錠など)

塩酸ラニチジン(商品名:ザンタック、アバロンZ、三共Z胃腸薬など)

ファモチジン(商品名:ガスター、ガスター10など)

ニザチジン(商品名:アシノン、アシノンZなど)

塩酸ロキサチジンアセタート(商品名:アルタット、アルタットA・イノセアワンブロックなど)

ラフチジン(商品名:プロテカジン、ストガー)



●副作用

ヒスタミンH2受容体は人間の場合、胃壁の他、心筋等にも存在する。

ヒスタミンH2受容体拮抗薬は心筋の受容体にも影響を与えるため、不整脈等の心臓の異常を起こすことがある。

特に心臓病の患者が摂取することは禁忌とされる。

ファモチジンを含む市販薬では死亡例も確認されている。


その他、低血圧、下痢、めまい、頭痛、発赤がみられることがある。

シメチジンは抗アンドロゲン作用(性欲の低下、インポテンツ)がみられることがあるが中止すると回復する。



以上

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2014年08月05日

プロトンポンプ阻害薬について

●プロトンポンプ阻害薬について

プロトンポンプ (Proton Pump) は、生物体内で光エネルギーなどを利用して水素イオン(プロトン)を能動輸送し、生体膜の内外に膜電位やプロトン勾配を作り出す機能、またはそれを行うタンパク質複合体をいう。

プロトンポンプによって形成されたプロトン勾配はATP合成などに利用される。

ATP合成酵素自身も逆反応として、ATPの加水分解によるエネルギーを利用してプロトンポンプとして働くことができる。

胃酸の分泌にもこのATPをエネルギー源とするタイプのプロトンポンプが働いている。

高度好塩菌の表面に存在する紫膜では、バクテリオロドプシンと呼ばれるタンパク質が配向しており、光エネルギーを利用しプロトンポンプ機能を発現している。

このほか光合成反応中心(光による)や、電子伝達系(酸化還元による)もプロトンポンプ機能を持っている。


●オメプラゾール

オメプラゾール(英: omeprazole)は、プロトンポンプ阻害薬に属する胃酸抑制薬の1つ。

略称はOPZ。

アストラゼネカ株式会社からオメプラール、三菱ウェルファーマ株式会社からオメプラゾンの商品名で発売されている。

胃の壁細胞に存在するプロトンポンプを直接抑制することによりH+の放出を阻害し、胃酸の産生を抑制する。

消化性潰瘍の治療に使用される。


●効果・効能

胃潰瘍

吻合部潰瘍

1回10〜20mgを1日1回投与する。期間は8週間までとする。

十二指腸潰瘍

1回10〜20mgを1日1回投与する。期間は6週間までとする。

逆流性食道炎

1回10〜20mgを1日1回、8週間投与する。再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法の場合、1日1回10〜20mgの長期投与が可能。

非びらん性胃食道逆流症(NERD)

1回10mgを1日1回、期間は4週間までとする。

ゾリンジャー・エリソン症候群

ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助


●副作用

主な副作用は、頭痛、かすみ目、下痢・軟便、便秘、白血球減少、発疹・発熱、頻尿、月経異常、脱毛、女性化乳房、ALT・AST上昇等の肝障害、BUN上昇等。

まれに重い造血障害、横紋筋融解症、さらには急性腎不全、また激しい過敏症としてスティーブンス・ジョンソン症候群、間質性肺炎などの重い副作用もある。







●ランソプラゾール

ランソプラゾール(英: lansoprazole)とは、胃からの酸の産生を抑制するプロトンポンプ阻害薬の一つ。

ランソプラゾールは世界中の多くの企業で生産されており、種々の商品名がある(Prevacid、Helicid、Zoton、Inhibitolなど)。

アメリカ食品医薬品局は、1995年にランソプラゾールを最初に認可した。

日本で初めて上市された商品名は、タケプロン(武田薬品工業)。

後に後発品も多数販売されている。

ヘリコバクター・ピロリ除菌にも有用で、日本では一次除菌・二次除菌に認可されている。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の他、逆流性食道炎にも日本では認可されている。

上部消化管出血には注射剤も上市されている。





●ラベプラゾール

ラベプラゾール(ラベプラゾールナトリウム - Sodium Rabeprazole)とは、プロトンポンプ阻害薬に属する胃酸分泌抑制薬の一つ。

略称はRPZ。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎の治療に用いる。

先発品は「Pariet(パリエット)」として、日本、英国、ギリシャ、オーストラリア、カナダ、ロシア、ブラジル等で販売されている。

米国では「AcipHex(アシフェックス)」として販売されている。

日本での製造販売は、エーザイ株式会社。

日本では後発品が2010年11月に各社から発売されている。




●エソメプラゾール

エソメプラゾール (英: esomeprazole) は、日本では4番目に開発・上市されたプロトンポンプ阻害剤である。


●概要

日本国外では Zoleri、Nexium、Lucen、Esopralなどの商品名でアストラゼネカから製造販売されている。

日本では2011年よりネキシウムの商品名で製造・開発: アストラゼネカ、流通・販売: 第一三共で上市された。


エスメプラゾールはオメプラゾール(商品名:Losec/Prilosec)のS-エナンチオマーであり、アストラゼネカは、単一のエナンチオマーであるエスメプラゾールはラセミ混合物であるオメプラゾールよりも薬効が改善していると主張している。

しかしながら、活性が向上しているかについては議論があり、一部ではオメプラゾールからエスメプラゾールに切り替える利点はないと主張されている。

プロトンポンプ阻害剤であるエスメプラゾールは、胃壁細胞のATPアーゼを阻害することによって胃酸分泌を抑制する。



●薬理

エソメプラゾールは、オメプラゾールを光学分割したS-エナンチオマーである。

S体はR体に比べ、肝臓での初回通過効果を受けにくく、未変化体のAUCはオメプラゾールに比べおよそ1.7倍で推移するため、より強い酸分泌抑制効果を示す。

S体とR体の酸分泌抑制作用には差はない。



以上

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プロトンポンプ阻害薬について

●プロトンポンプ阻害薬について

プロトンポンプ阻害薬とは?

プロトンポンプ阻害薬(-そがいやく、英: PPI; Proton pump inhibitor)とは胃の壁細胞のプロトンポンプに作用し、胃酸の分泌を抑制する薬である。

胃酸分泌抑制作用を持つ薬剤には他にヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)があるがプロトンポンプ阻害薬はH2ブロッカーよりも強力な胃酸分泌抑制作用を持ち、分泌抑制作用は用量に依存する。

H2ブロッカーよりも抑制作用が長時間持続する。



●プロトンポンプ阻害薬の適用

プロトンポンプ阻害薬は以下の疾患の治療に用いられ、投与中は定期的に血液学的検査を行うことが望ましい。

・消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍)

・Zollinger-Ellison症候群(en)

・逆流性食道炎

・ヘリコバクター・ピロリの除菌補助:抗生物質であるクラリスロマイシン(商品名:クラリスなど)とアモキシシリン(商品名:サワシリンなど)と共に用いられる。



●相互作用・副作用

相互作用が報告されている薬剤等

水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム含有の制酸剤、ジゴキシンメチルジゴキシン、イトラコナゾールゲフィチニブ、アタザナビル硫酸塩、クロピドグレルとの併用は注意また禁忌とされる。



おもな副作用

アナフィラキシー、血小板減少、溶血性貧血、横紋筋融解症、劇症肝炎、低ナトリウム血症、視力障害、血管浮腫

胃酸による殺菌作用が抑制される結果、腸内細菌叢の変化を引き起こし小腸の炎症が増強される事が報告されている。




●プロトンポンプ阻害薬の例

オメプラゾール(製品の代表的なもの:オメプラール・オメプラゾン)

ランソプラゾール(製品の代表的なもの:タケプロン・タケプロンOD錠, 武田薬品工業製造販売)

ラベプラゾールナトリウム(製品名:パリエット[3], エーザイ製造販売)

エソメプラゾール(製品名: ネキシウム, アストラゼネカ製造, 第一三共販売)



以上


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2014年07月29日

消化性潰瘍とは?(2)

●消化性潰瘍とは?(2)


●消化性潰瘍の分類

胃潰瘍・十二指腸潰瘍ともに内視鏡所見から以下の分類を用いて評価することが多い。



崎田分類

潰瘍の治癒状態を分類したもの。1961年に国立がんセンターの崎田隆夫(後に筑波大学教授)・大森皓次・三輪剛(後に東海大学教授)等が作成したもの。

元々は内視鏡観察ではなく当時の主流である「胃透視画像(バリウム造影)」から提唱されたものであるが、内視鏡観察が広く行われるようになってきた現在でも広く用いられている。


活動期(Active stage):潰瘍辺縁の浮腫像・厚い潰瘍白苔がある時期 A1:出血や血液の付着した潰瘍底はやや汚い白苔の状態 

A2:潰瘍底はきれいな厚い白苔の状態 潰瘍辺縁の浮腫像は改善してくる時期

治癒過程期(Healing stage):潰瘍辺縁の浮腫像の消失・壁集中像・再生上皮の出現が見られてくる時期 H1:再生上皮が少し出現している(潰瘍の50%以下)

H2:再生上皮に多く覆われてきている(潰瘍の50%以上)

瘢痕期(Scar stage):潰瘍白苔が消失した時期



S1:赤色瘢痕

S2:白色瘢痕




Forrest分類

潰瘍の出血状態を分類したもの。1974年にJohn Forrestが「Lancet」に発表したもの。

現在は以下のWalter Heldweinによる改変版が広く用いられている。

Active bleeding(活動性出血)

Ia:Spurting bleed(噴出性出血)

Ib:Oozing bleed(漏出性出血)



Recent bleeding(最近の出血)

IIa:Non-bleeding visible vessel(出血の無い露出血管)

IIb:Adherent blood clot・Black base(凝血塊の付着・黒色潰瘍底)

No bleeding(出血無し)

III:Lesion without stigmata of recent bleeding(最近の出血所見の無い病変)




●消化性潰瘍の治療


緊急治療[編集]

出血病変・穿孔病変に対しては以下の緊急処置が行われる

出血性胃潰瘍・十二指腸潰瘍

潰瘍からの出血兆候を認める場合、以下の上部消化管内視鏡による内視鏡的止血術が行われる。

clip止血

局注止血 エピネフリン添加高張食塩水(HSE:Hypertonic Saline-Epinephrine)

純エタノール

高周波凝固止血

APC(argon plasma coagulation)止血

稀に内視鏡的な止血困難な症例は腹部血管カテーテル検査によって出血血管の塞栓術(IVR)が施行されたり、または手術(胃切開+出血血管縫合止血術+潰瘍縫縮術)が施行される場合もある。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍穿孔

潰瘍穿孔を来たした場合、消化管穿孔として腹膜炎発症のコントロールが重要となってくる。

基本的に絶食・輸液管理・胃管挿入・抗菌薬投与による保存的加療にて穿孔が自然閉鎖し軽快することも多いが、穿孔が巨大であったり腹膜炎が生じていたりするようであれば手術(穿孔部縫合術+大網被覆術+腹腔内洗浄)が行われる。




薬物治療

旧来、消化性潰瘍の治療としては胃切除術が施行されてきたが抗潰瘍薬の開発と共に消化性潰瘍の治療は以下の内服治療が基本となっている。


胃酸分泌抑制薬

プロトンポンプ阻害薬

ヒスタミンH2受容体拮抗薬



胃粘膜保護剤

アルギン酸ナトリウム



制酸剤

炭酸カルシウム

炭酸水素ナトリウム





H.Pylori除菌

ヘリコバクター・ピロリを保有している場合、再発予防として除菌療法を行うことが推奨されている。



以上


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消化性潰瘍とは?(1)

●消化性潰瘍とは?(1)

消化性潰瘍(しょうかせいかいよう、英:Peptic ulcer)とは主に胃酸が要因となって生じる潰瘍のことである。



●消化性潰瘍の分類


潰瘍の生じる部位別に旧来通り以下の通りに称される。

胃潰瘍(Gastric ulcer or Stomach ulcer)

十二指腸潰瘍(Duodenal ulcer)

食道潰瘍(esophageal ulcer)

デュラフォイ潰瘍(仏:Ulcère de Dieulafoy)

比較的小さな潰瘍であるが大出血を生じる潰瘍として1898年にフランスの外科医Paul Georges Dieulafoyが報告したもの。

粘膜浅層の血管の走行上部にちょうど潰瘍が生じることで、小さく浅い潰瘍でも血管破綻を生じ大出血する潰瘍。

急性胃粘膜病変(AGML:acute gastric mucosal lesion)

急性十二指腸粘膜病変(ADML:acute duodenal mucosal lesion)





●消化性潰瘍の成因

胃潰瘍

通常は強酸である胃酸の分泌に対し、胃内の粘膜は粘膜保護が作用し攻撃因子・防御因子のバランスが保たれている。

胃潰瘍は主に、粘膜保護作用の低下によって防御因子が低下することで生じる。



十二指腸潰瘍

ヘリコバクター・ピロリ(H.Pylori)保菌者が多く、比較的若年者に多い。

H.Pyloriが胃前庭部に潜伏し始め、持続的にガストリン分泌刺激が促され胃酸分泌過多を生じることによって生じるとされている。

十二指腸潰瘍は食前・空腹時に痛みが増悪することが知られているが、摂食刺激によってセクレチンが分泌されガストリン分泌が抑制され胃酸分泌が少なくなるためと考えられている。



●消化性潰瘍の要因

リスクファクターは主に胃粘膜保護の減少である防御因子の低下を助長するものであり、以下が知られている。

飲酒

喫煙

塩分

熱いもの

ストレス

コーヒー(カフェイン)

NSAIDs(非ステロイド系消炎鎮痛薬 Non steroidal anti-inflammatory drugs)

NSAIDsは鎮痛薬や抗血小板剤として広く用いられCOX(シクロオキシゲナーゼ)という酵素を阻害する作用を有し、このうちCOX-1が阻害されることで胃粘膜防御因子のPGE2(プロスタグランジン)産生低下が生じ潰瘍を生じやすいとされている。

COX-2のみを選択的に阻害するNSAIDsでは比較的生じにくい。


ステロイド

旧来よりステロイド(一般に糖質コルチコイド製剤)使用にて消化性潰瘍発症が高くなると言われていたが、近年のメタアナリシス報告で潰瘍発症の有意差は無いことが指摘されステロイドは消化性潰瘍のリスクファクターでは無いことが証明されてきた。




●消化性潰瘍の臨床像

胃潰瘍・十二指腸潰瘍共に以下の症状が基本となって生じてくる。

上腹部痛・心窩部痛(いわゆる胃の痛み)

胃潰瘍では食後に腹痛が増悪することが多く、十二指腸潰瘍では食前・空腹時に増悪することが多いとされている。

しかし、実際には必ずしもそうではないこともある。


黒色便・吐血

胃・十二指腸内に出血した血液が逆流して嘔吐すれば「吐血」ないし酸化を受け黒色に変色した「コーヒー残渣様嘔吐」となって生じ、そのまま便となって出てくる場合は血液が酸化されて黒色となり「黒色の便」として生じてくる。

ただ、食道静脈瘤・Mallory-Weiss症候群等の他の上部消化管出血でも同様の症状を呈する。

また大腸や小腸からの下部消化管からの出血の場合、これを受けないで排出されるため「赤い便・血便」として生じてくる。

腹部の激痛・筋性防御(腹膜刺激症状)

出血していても胃潰瘍・十二指腸潰瘍の腹痛はそこまで強くなく強い腹痛がある場合は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の穿孔による腹膜刺激症状である場合が多い。



●検査

血液検査

出血があれば貧血(Hb・RBC低下)が認められ、持続消耗性出血による小球性低色素性貧血(MCV低下)を呈してくる場合が多い。

大量出血である場合には貧血があっても、MCV低下がみられないこともある。

また活動期の出血の場合、胃内に蛋白成分が漏出し蛋白異化による尿素窒素(BUN)が高くなることでBUN/Cr比の上昇が認められ臨床的に出血兆候の指標として用いられる。



内視鏡検査

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の診断・治療において上部消化管内視鏡が基本となってくる。

他の消化管病変の精査・鑑別も含めて、一般的に広く行われる。同時に治療も行える利点がある。




消化管造影検査

いわゆる「胃透視(MDL)」は旧来より広く行われている。

所見から消化性単純潰瘍が疑わしい場合に、精査として行われることはほとんどなく、上記の内視鏡検査が行われる。

悪性腫瘍に付随する潰瘍病変である場合には、病変の位置や大きさが内視鏡検査よりも客観的に描出できるため、内視鏡検査の後であっても行われることが多い。


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