2014年06月11日

気管支喘息について述べよ

●気管支喘息について述べよ

喘息(ぜんそく、Asthma)は、慢性の気道炎症(好酸球性炎症が典型的であるが、好酸球以外の炎症性細胞が主体のフェノタイプも存在する)、気流制限(典型例では、通常、可逆性あり)、気道過敏性の亢進を病態の基盤に有し、発作性に、呼吸困難、喘鳴、咳などの呼吸器症状をきたす症候群である。

喘息の病態に関連する因子は、アレルギー反応や細菌・ウイルス感染など多岐に亘って存在し、関与の仕方も多様である。

重症の急性増悪[喘息大発作]においては、呼吸器症状が特に激しく発現し、死(喘息死)に至ることもある。

近年では、気管支喘息、Bronchial Asthmaの呼称よりも、喘息、Asthmaの呼称が頻用される傾向にある。



東洋医学では哮喘(哮は発作性の喘鳴を伴う呼吸疾患で、喘は保迫するが喘鳴は伴わない呼吸疾患である。

双方は同時に見られることが多い為、はっきりと区別する事は難しい。

虚証・実証に区別はされるが、気機(昇降出入)の失調で起こる)。


なお、うっ血性心不全により喘鳴、呼吸困難といった喘息類似の症状がみられることがあるが、喘息とは異なる病態である。

喘息をはじめとするアレルギーが関与する疾患の治療に関して、欧米の医師と日本の医師との認識の違いの大きさを指摘し、改善可能な点が多々残されていると主張する医師もいる。



●気管支喘息の歴史

喘息を指す英単語 asthma はギリシャ語の「aazein」という"鋭い咳"を意味する言葉に由来する。

この言葉は紀元前8世紀のイリアスに登場するのが最初とされている。

そして紀元前4世紀にヒポクラテスはこの病気が仕立て屋、漁師、金細工師に多いこと、気候と関係していること、遺伝的要因がある可能性があることを記載した。

2世紀にはガレノスは喘息が気管支の狭窄・閉塞によるものであることを記し、基本病態についての考察が始まった。

その後喘息についてさまざまな考察、文献が発表されたが、このころまで喘息という言葉は今日でいう喘息のみならず呼吸困難をきたすさまざまな病気が含まれていた。



今日でいう喘息についての病態にせまるには17世紀まで待たねばならない。

17世紀イタリアの「産業医学の父」ベルナルディーノ・ラマツィーニは喘息と有機塵との関連を指摘し、またイギリスの医師ジョン・フロイヤーは1698年、A Treatise of the Asthmaにおいて気道閉塞の可逆性について記載した。

1860年にはイギリスのソルターは著書On asthma: its pathology and treatmentの中で気道閉塞の可逆性と気道過敏性について述べ、またその後19世紀末から20世紀初頭にはエピネフリンやエフェドリンが開発され、気管支拡張薬が喘息の治療として使用されるようになった。

この頃まで喘息の基本病態は可逆性のある気管支収縮であると考えられていた。



1960年代に入り喘息の基本病態が気道の慢性炎症であることが指摘され始め、1990年にイギリス胸部疾患学会(BTS)の発表した喘息ガイドライン、および1991年にアメリカ国立衛生研究所(NIH)の発表した喘息ガイドラインにおいて「喘息は慢性の気道炎症である」ことにコンセンサスが得られた。

これによりステロイド吸入により気道の炎症を抑え、発作を予防するという現在の喘息の治療戦略が完成し、治療成績は劇的に改善した。

しかし、吸入ステロイドの普及率は、国・地域によって差があり、殊に、日本は欧米先進諸国に比し、吸入ステロイドの普及率は低い。



●気管支喘息の病因

喘息の病態は極めて複雑であり、解明されていない部分も多い。

近年、IgE型の免疫不全症とする考え方もある。

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2014年06月08日

次の文章のかっこを埋めよ:胆石はその存在部位によって、肝内胆石、( A )、胆管結石に分けられる。

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4)基礎医学、薬学の試験問題 275
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問題1.次の文章のかっこを埋めよ

胆石はその存在部位によって、肝内胆石、( A )、
胆管結石に分けられる。






=================
   正解
=================

A=胆嚢結石







問題2.次の文章のかっこを埋めよ

胆嚢において、胆汁の中から不溶の成分が析出して
集積し、胆嚢結石が形成される。
胆石の成分により、( A )と胆汁色素系胆石に
大別される。






=================
   正解
=================

A=コレステロール系胆石





問題3.次の文章は正しいか?

胆石症の症状には疝痛、腹部膨満感、悪心・嘔吐等が
あるが、最も特徴的な症状は疝痛発作である。

(1)正しい  (2)間違い






=================
   正解
=================

(1)正しい





問題4.次の文章のかっこに入るのは何番?

胆石症の寛解維持療法として利胆薬、なかでも( A )が
疼痛回避に有効とみなされている。

(1)臭化ブチルスコポラミン  
(2)ウルソデオキシコール酸
(3)ペンタゾシン





=================
   正解
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A=(2)ウルソデオキシコール酸(販売名:ウルソなど)


posted by ホーライ at 08:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 分泌器官 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月07日

「下気道」について

●下気道(かきどう、英語: Lower respiratory tract)とは、気道のうち喉頭よりも末梢の部分のこと。

喉頭よりも中枢側の上気道とは異なり、免疫機構が正常な場合は基本的に無菌である。



●肉眼解剖

鼻腔・口腔からガス交換の場である肺胞を結ぶ空気の流通路を気道と呼ぶ。

このうち、第4〜6頚椎の高さにおいて喉頭で食道から前方に枝分れしたのちの部分を下気道と称する。

これに対し、喉頭よりも上方の部分を上気道と称する。

また、下気道はさらに気管と気管支、細気管支、呼吸細気管支に細分化される。

枝分かれは一定の法則に従って自己組織化するため、フラクタル構造になっている。



●気管

気管(trachea)とは、喉頭(C4〜6)から気管分岐部(Th4〜5)までの部分。

長さは約10cm、内径は約20mm。気管分岐部はおおむね胸骨角平面(ルイ角平面)の高さにある。



気管は基本的に連続して空気が出入りし続ける管であるため、食物を摂取するときだけ物体が通過する食道と異なり、常に潰れないように内腔が確保されていなければならない。

そのため、気管の外側は気管軟骨輪(Tracheal rings)と呼ばれるC字形の硝子軟骨が連続して積み重なり、軟骨と軟骨の間を輪状靱帯(Annular ligaments of trachea)が結ぶ構造になっており、頸部の動きに伴う屈曲が容易な柔軟性を保ちながら、つぶれないような強度を確保している。

気管の開始部には喉頭と呼ばれる複雑な構造が発達しており、食物が誤って気管内に侵入するのを防いでいるほか、哺乳類では発声器官の声帯を生じている。

なお、救急医療に際しては、気道確保のため、気管挿管や気管切開を行なう場合がある。



●気管支

気管支(Bronchus)とは、気管分岐部(Th4〜5; 第1分岐, Carina of trachea)において左右に分かれたのち、第5分岐において気管軟骨が途切れるまでの部分。

肺動脈およびその枝と並走している。分岐するごとに、さらに下記のように細分化される。

1.主気管支(第1分岐〜第2分岐)

右肺は3葉あるので、右気管支は気管から約25°の角度で枝分れし、内径は右側が15mm、左側が12mmである。

左肺は心臓の分だけ上に寄っているので、左気管支は気管から約35〜45°の角度で枝分れする。

すなわち、右の主気管支は左に比べて太く垂直に近いことから、誤嚥は右に多くなる。


2.葉気管支(第2分岐〜第3分岐)

それぞれの大葉へ向けた分枝である。

右においては、まず上葉支が分岐した後、中間気管支幹から中葉支と下葉支が相次いで分岐する。

左においては上葉支と下葉支に分岐し、また上葉支は舌区支を分岐する。



3.区域気管支(第3分岐〜第4分岐)

それぞれの肺区域へ向けた分枝である。

支配する肺区域の番号に応じてB1〜10と呼ばれるが、左側にはS7が無いことから、左のB7も存在しないほか、左側ではB1とB2があわさってB1+2となる。

なお、後方に分岐するのはB2, B6, B10のみである。



4.亜区域気管支(第4分岐〜第5分岐)

それぞれの肺亜区域へ向けた分枝である。

B1a、といったように表記される。

内径は、主気管支で約10mm、葉気管支・区域気管支で約7〜6mm、亜区域気管支で約6〜2mmである。





●細気管支

細気管支 (Bronchiole)とは、第5分岐以降、第16分岐まで、気管支壁に肺胞が出現するまでの部分。

おおむね、1つの細気管支が1つの小葉(2次肺小葉)を支配しており、さらに小気管支、細気管支、終末細気管支に細分化される。

呼吸器学分野において気道と称されるのは、厳密にはこの部分までである。



●呼吸細気管支

呼吸細気管支 (Respiratory bronchiole)とは、第17分岐から第19分岐まで、気管支壁に肺胞が出現している部分である。

1つの呼吸細気管支が1つの細葉(1次肺小葉)を支配しており、呼吸細気管支は平均3回の分岐をして、肺胞管、肺胞嚢、肺胞に至る。



●分子解剖

下気道は、内腔より順に、呼吸粘膜上皮、基底板、粘膜固有層、軟骨、そして脂肪組織による外膜によって構成される。


●呼吸粘膜上皮

肺と同様に咽頭の腹壁が陥入して盲管を成したものが起源であるため、呼吸粘膜上皮は、消化管と同様に内胚葉性のものである。

呼吸粘膜上皮は、気管・気管支・細気管支においては偽重層円柱線毛上皮と呼ばれる組織像を示すが、末梢に行くに従って、細胞の高さが低くなっていき、終末細気管支のレベルでは単純な線毛立方上皮となる。

さらに呼吸細気管支においては線毛も消失し、扁平なI型肺胞上皮細胞に置き換わる。



偽重層円柱線毛上皮は、下記の4種の細胞が基底板上に配置されることで構成される。

1.円柱線毛上皮細胞(Columnar ciliated cells)

細胞の頂部は管腔に達しており、この部分には線毛がある。

線毛は、協調運動によって、粘液の連続した流れをつくり出し、気道内に侵入した異物を排除する役割がある。組織の30%を占める。



2.杯細胞(Goblet cells)

分泌顆粒を有し、エキソサイトーシスによって、内腔に粘液を分泌して、気道内を適切な湿度に保つ役割を有する。

気管・気管支においては組織の30%を占めるが、細気管支以降においては見られなくなる。


3.クララ細胞(Clara cells)

単なる粘液分泌だけでなく、肺サーファクタントや、塩素イオンの代謝をになっている。

杯細胞にかわって、細気管支以降において出現する。



4.基底細胞(Basal cells)

基底膜より発するが、管腔には達しない。組織の30%を占める。




●粘膜固有層

弾性線維に富み、また、断続的に輪走する平滑筋束も見られる。

この平滑筋束には、交感神経系のβ2受容体、副交感神経系のムスカリン受容体があり、β2受容体は筋弛緩、ムスカリン受容体は筋収縮作用を持つ。

このため、気管支拡張薬として交感神経β2受容体作動薬が使用される。

気管・気管支レベルにおいては、気管支腺も散在する。

気管支腺は、組織学的には漿粘液腺の構造を示し、感染やアレルギー反応において湿潤環境を創出する役割がある。



●軟骨および気管筋

上述のように、気管においては、C字型の硝子軟骨である気管軟骨輪(Tracheal ring)が構造の維持を担っている。

食道と接する後面では、平滑筋である気管筋の横走線維が両側の軟骨端につく。

葉気管支より末梢においては、硝子軟骨の形状はC字型でなくなり、断片的な軟骨片となる。

細気管支より末梢においては軟骨片も消失するが、粘膜固有層の豊富な弾性線維によって、形状は維持される。


以上
タグ:気管支
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2014年06月04日

肺の構造

肺(はい)は脊椎動物の器官の一つ。

肺臓とも呼ばれる。

空気中から得た酸素を体内に取り込んだり、老廃物である二酸化炭素を空気中に排出する役割(呼吸)を持つ。

これに対して水中から得た酸素を取り込み、水中に排出する器官が鰓(えら)である。

なお、無脊椎動物でも、体内に一定の腔所を持ち、その内側でガス交換を行う器官を肺と呼ぶ。

節足動物のクモ型綱、軟体動物の腹足綱にその例がある。



●ヒトの肺

ヒトの肺は胸腔の大部分を占める。

主に気道と血管からなり、両者は肺胞で接してガス交換を行っている。

肺胞は約3億個で、総表面積は約60m2。

肺の重さは一つあたり男性が約1,000g、女性は900g。



●肺の構造

肺は横隔膜・肋間筋に囲まれた胸郭の中にある。

肺の表面を覆っている漿膜を胸膜と言い、横隔膜や肋間筋を裏打ちしている。

肺を覆っている胸膜を臓側胸膜(肺胸膜)と言い、横隔膜や肋間筋を裏打ちしている胸膜を壁側胸膜と言う。

臓側胸膜と壁側胸膜は辺縁で連続していて、一枚の扁平な袋になっている。

この袋の中を胸膜腔と言い、漿液である胸膜内液で満たされている。



肺は左右二つある。

それぞれの尖った上部は肺尖、下面は肺底と呼ばれる。

右肺は上から順に上葉・中葉・下葉からなり、左肺はやや小さく上葉・下葉からなる。

この5つの肺葉を大葉と言う。

左肺に中葉がないのは、左右の肺を隔てる縦隔にある心臓が体幹の中心よりも左に寄っており、その分スペースが小さい為である。

大葉は更に細かく10の肺区域に分けられる。



●気道と肺胞

口や鼻から入る空気の通り道を気道と言う。

気道は咽頭で一つになり、喉頭で食道から前方に枝分れして気管になる。

気管は縦隔で左右に枝分れして気管支になる。

右肺は3葉あるので右気管支は気管から約25°の角度で枝分れする。

左肺は心臓の分だけ上に寄っているので左気管支は気管から約35-45°の角度で枝分れする。

気管支は大葉へ向けて分岐し、さらに肺小葉に向けて分岐する。

分枝を繰り返して軟骨を持たない複数の細気管支、そして段々と平滑筋や弾性繊維を豊富に持つ終末細気管支を経て呼吸細気管支になり、その先端には肺胞がブドウのように密集している。

枝分かれは一定の法則に従って自己組織化するため、フラクタル構造になっている。




気管支には杯細胞や線毛細胞がある。

細気管支にはクララ細胞がある。

肺胞にはI型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞がある。

気管支にある杯細胞は気管粘液を出して湿度を保ち、線毛細胞は線毛運動によって吸気に混入した細菌等を咽頭へ流し戻す。

これらの生理機能が正常に働いていれば肺胞は無菌に保たれているので、網細血管が直接空気と触れても細菌感染等は起こさない。



肺胞は、厚さ約0.1ミクロンの扁平上皮である呼吸上皮細胞(肺胞上皮細胞)が直径約0.1-0.2mmの球状になり、空洞(肺胞気)を取り囲む構造を持つ。

両肺合わせて約3億個がある肺胞では、内部に入り込んだ空気とそれを取り囲む多くの毛細血管の間でガス交換を行う場所であり、面積を広げると約70m2になる。

毛細血管は内皮細胞に走り、呼吸上皮細胞との間に基底膜がある。

厚さ約0.5ミクロンのこれら3層は血液空気関門と言う。

肺胞は弾性繊維で覆われ平滑筋を持たない。

そのため、伸展はもっぱら気圧の変化によるものである。

肺胞でガス交換が行われる時は、I型肺胞上皮細胞が特に能動交換は行う訳ではなく、単にガス濃度の自然勾配によって受動交換が行われる。

この為広い交換面積が必要になる。



肺胞上皮細胞内には、異物に対する免疫を持つマクロファージ(肺胞マクロファージ)や単球や、肺胞がひしゃげるのを防止するため脂質の表面活性物質を分泌するサーファクタント分泌細胞などがある。

肺胞にあるI型肺胞上皮細胞は薄い細胞で交換されるガスの通り道になっている。

II型肺胞上皮細胞は厚い細胞で肺サーファクタントを出している。

肺胞は極めて小さいので、そのままでは水の表面張力によって潰れてしまう。

そのため表面活性物質を出して表面張力を下げて、肺胞が潰れない様にしている。

肺表面活性物質は胎生28週頃になってやっと出始めるため、妊娠28週以前に出産すると呼吸ができない新生児呼吸窮迫症候群 (RDS) になる危険性が極めて高い。

そのような児のために現在は人工のサーファクタントを用いて、呼吸できる環境にするのが一般的である。

肺の血管内皮細胞はアンギオテンシン変換酵素 (ACE) を内分泌する。

大葉中ではお互いに穴でつながっているので、細菌性肺炎等を放置すると大葉性肺炎になる。




●肺の血管

肺に流れる血管には大きく2系統があり、機能血管と栄養血管という。

肺は血液ガス交換をする為の臓器なので血液ガス交換の為の血管を機能血管といい、肺臓その物を養っている血管を栄養血管と言う。

機能血管は心臓の右心室から肺動脈が出る。

肺動脈は縦隔で左右に枝分れして右肺動脈と左肺動脈に分かれる。

左右肺動脈は気道と同様に肺葉に向けて分岐して行き、最後は肺胞で毛細血管になる。

肺胞でガス交換を終えた血管は分岐した時と同様に合流して行き、左右それぞれ2本の肺静脈となって左心房に流れ込む。

栄養動脈である気管支循環系は、大動脈から直接分岐する。



●肺の生理

肺が膨らむときは、横隔膜や肋間筋が胸腔を広げ、胸腔が陰圧になることで肺が立体的に引っ張られて受動的に膨らむ。

一方縮むときは筋肉は使われず、肺自身が縮もうとする力で収縮して空気の吸入・呼出をする。

壁側胸膜は知覚神経が豊富で、肺が痛む時はこの神経が関与している。




●ヒトの肺のCT解剖学

気管支と肺動脈は原則として隣接し平行に走行する。

肺区域、亜区域、小葉の中心を走行する。

これに対して肺静脈はこれらの境界を走行する。

CTでは気管支に隣接する血管が肺動脈であり、肺動脈と肺動脈の間にある血管が肺静脈である。

正常なヒトでは気管支は亜区域までしか追うことはできないのでそこまでは有効な方法である。

肺の機能動脈は肺動脈だが、それ以外に栄養血管として気管支動脈が存在する。

気管支動脈は下行大動脈から直接分枝するが正常では細いため造影CTでその近位部が確認されるにすぎない。



肺はリンパが豊富な組織である。

気管支周囲、肺血管周囲、小葉間隔壁、胸膜の間質に分布している。特

によく発達しているのが、気管支周囲と肺動脈周囲である。基本的には肺末梢から肺門部に向かって流れている。

リンパ管そのものはCTでは確認できないが、癌性リンパ管炎やうっ血性心不全のようにリンパ浮腫を起こすと、気管支壁が肥厚し、血管陰影が拡大し小葉間隔壁が確認できるようになる。


肺の構造を理解する上で欠かせない概念が二次小葉といわれるものである。

もっとも有名なものはMillerによる定義である。

二次小葉の中央を気管支と肺動脈が小葉間隔壁の中を肺静脈が走っている。

肉眼的にも確認ができる小葉間隔壁に囲まれた多面体である。

この概念は間質性病変を理解するのに役に立つ。

二次小葉は30個ほどの細葉が集まってできているとされている細葉はCTでは確認ができない。

肺の亜区域を同定するには気管支を辿っていくのがわかりやすい。

原則として区域気管支の番号と肺区域の番号は一致し、大体気管支が肺区域の中央を通過することを念頭におくと手術後や偏位のある肺でも亜区域を同定できる。



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2014年05月22日

眼底を観察する検査とは?

問題3.次の文章のかっこを埋めよ

検眼鏡を使って患者の瞳孔(どうこう)(ひとみ)を通し眼底を観察する検査を(  A  )という。

(1)眼底検査

(2)瞳孔検査












」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

(1)眼底検査  


posted by ホーライ at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 臨床検査項目 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月20日

化学療法とは?

問題2.次の文章のかっこを埋めよ

化学療法とは(  A  )を用いて生体内の病原寄生体に対し直接その増殖を阻害したり殺菌することによって疾患を治療する方法をいう。

薬物療法の一種であるが、対症療法ではなく、原因療法の一つである。

(1)化学物質

(2)免疫グロブリン









」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

(1)化学物質


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2014年05月01日

『高血圧』とは?(6) 『高血圧』の治療は?(4)

【カルシウム拮抗剤】

●構造・発現

アンジオテンシン変換酵素はその活性中心(HExxH)に亜鉛を有するメタロプロテアーゼの一種であり、細胞膜上に存在する。

アンジオテンシン変換酵素には2つの異なるタイプが存在し、それぞれ somatic ACE (sACE) と germinal ACE (gACE) と呼ばれる。

sACEは全身の細胞に広く分布するのに対して、gACEは発現している組織が限られており、精巣に発現していることが知られている。

また、sACEは活性部位をN末端側とC末端側に2つ持つのに対し、gACEは活性部位を1つしか持たない。

sACEのN末端及びC末端の活性中心部位はそれぞれアミノ酸配列は同じであるにもかかわらず、基質に対する反応性など性質が異なる点が存在する。



●機能

アンジオテンシン変換酵素の基本的な働きはアンジオテンシンIを活性体へ変換し、血圧の制御を行うことにある。

また、アンジオテンシン変換酵素はブラジキニンの分解に関与するキニナーゼIIと同等であることが知られている。

つまり、アンジオテンシン変換酵素はアンジオテンシンIの変換とキニナーゼIIの分解の両方に働く酵素である。

その他にもサブスタンスPや黄体形成ホルモン放出ホルモン (LH-RH) 等を基質とすることが知られており、基質特異性は低い。

近年ではアンジオテンシン変換酵素のレニン-アンジオテンシン系 (英: renin-angiotensin system、RAS) 以外に対する機能も解明されつつある。






【レニン-アンジオテンシン系】


レニン-アンジオテンシン系(Renin-Angiotensin System;RAS)またはレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(Renin-Angiotensin-Aldosterone System;RAAS)とは、血圧や細胞外容量の調節に関わるホルモン系の総称。

血圧低下や循環血液量の低下に伴って、活性化される。



●機序

(1)腎臓の傍糸球体装置が血圧低下を感知すると、傍糸球体細胞から分泌されるタンパク質分解酵素であるレニンを血液中に分泌する。

(2)レニンは、肝臓や肥大化脂肪細胞から分泌されるアンジオテンシノーゲンを一部分解してアンジオテンシンTに変換する。

(3)アンジオテンシンTは、肺毛細血管に存在するアンジオテンシン変換酵素(ACE)によってアンジオテンシンUに変換される。

(4)アンジオテンシンUは、副腎皮質球状帯に作用してナトリウムの再吸収を促進するアルドステロンの分泌を促進。

また、脳下垂体に作用し利尿を抑えるホルモンである抗利尿ホルモンであるバソプレッシン(ADH)の分泌を促進。

(5)アンジオテンシンUは、アミノペプチダーゼによってアンジオテンシンVに変換される。


●生体への作用

・血圧上昇

アンジオテンシンII、III、バソプレッシンの血管収縮作用による。


・Na再吸収の増加

アンジオテンシンII、アルドステロンによって尿細管でNa+,Cl-再吸収が亢進。


・水分再吸収の増加

バソプレッシンによって集合管でH2O再吸収が亢進。


以上


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『高血圧』とは?(6) 『高血圧』の治療は?(4)

【カルシウム拮抗剤】

●構造・発現

アンジオテンシン変換酵素はその活性中心(HExxH)に亜鉛を有するメタロプロテアーゼの一種であり、細胞膜上に存在する。

アンジオテンシン変換酵素には2つの異なるタイプが存在し、それぞれ somatic ACE (sACE) と germinal ACE (gACE) と呼ばれる。

sACEは全身の細胞に広く分布するのに対して、gACEは発現している組織が限られており、精巣に発現していることが知られている。

また、sACEは活性部位をN末端側とC末端側に2つ持つのに対し、gACEは活性部位を1つしか持たない。

sACEのN末端及びC末端の活性中心部位はそれぞれアミノ酸配列は同じであるにもかかわらず、基質に対する反応性など性質が異なる点が存在する。



●機能

アンジオテンシン変換酵素の基本的な働きはアンジオテンシンIを活性体へ変換し、血圧の制御を行うことにある。

また、アンジオテンシン変換酵素はブラジキニンの分解に関与するキニナーゼIIと同等であることが知られている。

つまり、アンジオテンシン変換酵素はアンジオテンシンIの変換とキニナーゼIIの分解の両方に働く酵素である。

その他にもサブスタンスPや黄体形成ホルモン放出ホルモン (LH-RH) 等を基質とすることが知られており、基質特異性は低い。

近年ではアンジオテンシン変換酵素のレニン-アンジオテンシン系 (英: renin-angiotensin system、RAS) 以外に対する機能も解明されつつある。






【レニン-アンジオテンシン系】


レニン-アンジオテンシン系(Renin-Angiotensin System;RAS)またはレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(Renin-Angiotensin-Aldosterone System;RAAS)とは、血圧や細胞外容量の調節に関わるホルモン系の総称。

血圧低下や循環血液量の低下に伴って、活性化される。



●機序

(1)腎臓の傍糸球体装置が血圧低下を感知すると、傍糸球体細胞から分泌されるタンパク質分解酵素であるレニンを血液中に分泌する。

(2)レニンは、肝臓や肥大化脂肪細胞から分泌されるアンジオテンシノーゲンを一部分解してアンジオテンシンTに変換する。

(3)アンジオテンシンTは、肺毛細血管に存在するアンジオテンシン変換酵素(ACE)によってアンジオテンシンUに変換される。

(4)アンジオテンシンUは、副腎皮質球状帯に作用してナトリウムの再吸収を促進するアルドステロンの分泌を促進。

また、脳下垂体に作用し利尿を抑えるホルモンである抗利尿ホルモンであるバソプレッシン(ADH)の分泌を促進。

(5)アンジオテンシンUは、アミノペプチダーゼによってアンジオテンシンVに変換される。


●生体への作用

・血圧上昇

アンジオテンシンII、III、バソプレッシンの血管収縮作用による。


・Na再吸収の増加

アンジオテンシンII、アルドステロンによって尿細管でNa+,Cl-再吸収が亢進。


・水分再吸収の増加

バソプレッシンによって集合管でH2O再吸収が亢進。


以上


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『高血圧』とは?(5) 『高血圧』の治療は?(3)


【アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)】


アンジオテンシン変換酵素(ACE)は生理活性ペプチドであり昇圧作用を有するアンジオテンシンIIの産生に関与している。

さらに、ACEは降圧物質であるブラジキニンの分解に関与する酵素キニナーゼIIと同等であり、ACE阻害薬はこの酵素活性を阻害することにより、アンジオテンシンIIの産生抑制とブラジキニンの分解抑制をもたらし、結果として降圧作用を示す。

ACE阻害薬やARBは輸出細動脈を拡張させ糸球体内圧を低下させ蛋白尿の減少を行う作用がある(腎保護作用)。

このため慢性腎臓病、糖尿病性腎症でARBと同様に好まれる傾向がある。

またACE阻害薬は心臓のリモデリング防止作用、心筋梗塞の再発予防、心不全患者の予後改善効果があると考えられている。

またCa拮抗薬と同様の脳卒中予防効果もあるとされている。空咳の副作用が有名であり、ARBに劣るイメージがあるが心保護作用のエビデンスはACEIの方が豊富である。

心房細動の抑制効果も知られている。特にイミダプリル(タナトリル)は糖尿病性腎症に適応がある。

カプトプリル(Captopril カプトリルなど)

リシノプリル(Lisinopril ロンゲスなど)

エナラプリル(Enalapril レニベースなど)

デラプリル(Delapril)

ペリンドプリル(Perindopril コバシルなど)

ベナゼプリル(Benazepril)

トランドラプリル(Trandolapril)

キナプリル(Quinapril)

アラセプリル(Alacepril)

イミダプリル(Imidapril タナトリルなど)

テモカプリル(Temocapril)

シラザプリル(Cilazapril)




【アンジオテンシン受容体拮抗薬 (ARB)】


上記の機構により産生されたアンジオテンシンIIはアンジオテンシン受容体を介してその作用を発現することが知られている。

アンジオテンシン受容体にはサブタイプが存在し、アンジオテンシン受容体拮抗薬(英: Angiotensin Receptor Blocker, ARB)の降圧作用はAT1受容体の遮断に基づく。

いずれも妊婦への適応は禁忌である。


ARBの標準薬はバルサルタン(Valsartan ディオバンなど) であり、世界で最も汎用され新薬開発時には、比較薬とされている。

ACE阻害薬やARBは輸出細動脈を拡張させ糸球体内圧を低下させ蛋白尿の減少を行う作用がある。

また、ARB各薬剤のクラスエフェクト以外の作用も注目されており、テルミサルタン(ミカルディスなど)のPPARγ活性化作用を介した糖・脂質代謝改善作用、ロサルタン(ニューロタンなど)の尿酸値低下作用等が挙げられる。

ARBは空咳のないACEIとほぼ同様なイメージがあったが、イルベサルタン(イルベタン、アバプロなど)は腎症に対して豊富なエビデンスがあり、心不全にACEI、腎不全にARBというイメージを定着させた。

ロサルタン(Losartan ニューロタンなど)

オルメサルタン(Olmesartan オルメテックなど)

テルミサルタン(Telmisartan ミカルディスなど)

バルサルタン(Valsartan ディオバンなど)

カンデサルタンシレキセチル(Candesartan Cilexetil ブロプレスなど)

イルベサルタン(Irbesartan イルベタン、アバプロなど)

アジルサルタン(Azilsartan アジルバなど)







【直接的レニン阻害薬】

レニンはアンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンIへの変換反応を触媒する酵素であり、血圧のコントロールに関与するレニン-アンジオテンシン系の上流に位置する。

直接的レニン阻害薬 (Direct Renin Inhibitor,DRI) であるアリスキレンはレニンのAsp32とAsp215の両残基に水素結合し、その活性を抑制することで降圧効果を示す十数年ぶりの新しいクラスの降圧薬である。

アリスキレンの降圧効果は持続的であり、単剤投与での24時間以上にわたって十分な降圧効果を示すとされており、ACE阻害作用を有していないためにキニン代謝による空咳などの副作用は生じにくいと考えられている。

アリスキレン(Aliskiren ラジレスなど)




【α受容体遮断薬】

α受容体の遮断薬には非選択的にα受容体を遮断するものと選択的にα1受容体のみを遮断するものが存在する。

非選択的遮断薬であるトラゾリンおよびフェントラミンはα2受容体に対しても阻害作用を示すことから、α2受容体を介した抑制的フィードバックが外れ、シナプス前膜から神経伝達物質であるノルアドレナリンの放出が促進される。

このノルアドレナリンが循環血中を回り心臓などへ辿りつくとβ受容体の刺激を引き起こし、副作用の原因となる。

一方、α1受容体の選択的な遮断薬はα2受容体遮断作用を持たないことからこのような副次的な効果をもたらしにくい(副作用がないというわけではない)。

αブロッカーには心血管系の抑制効果が報告されていないため、高血圧治療薬の第一選択にはならない。

しかし脂質代謝やインスリン抵抗性を改善するため脂質異常症、メタボリックシンドロームを伴う高血圧では併用薬として用いられることが多い。

早朝の血圧上昇が心血管系イベントに関連し、その上昇に交感神経の亢進が関与するとされており早朝高血圧に対してドキサゾシン(カルデナリンなど)が使用されることが多い。

また前立腺肥大が合併している時も好まれる傾向がある。カルデナリンの場合、アドビアランス不良の原因となるのが起立性低血圧の副作用である場合が多く、高齢者での使用では注意が必要である。

カルデナリンの維持量は1日1〜4mg(分1)であるが0.5mgから開始し、徐々に増量していく。

起立性低血圧は出現しても数日後に自然消失することも多いが、転倒のリスクがある患者では注意が必要である。


トラゾリン(Tolazoline)

フェントラミン(Phentolamine)

ドキサゾシン(Doxazosin カルデナリンなど)

プラゾシン(Prazosin ミニプレスなど)

ブナゾシン(Bunazosin デタントールなど)

テラゾシン(Terazosin)

ウラピジル(Urapidil)




【β受容体遮断薬】

α受容体遮断薬と同じようにβ受容体遮断薬にも非選択的なものと選択的β1受容体遮断薬が存在する。

例えばプロプラノロールは非選択的なβ受容体遮断薬であるが、血管平滑筋の弛緩効果をもたらすβ2受容体を阻害することはむしろ血圧を上昇させる。

しかし、β1受容体阻害による心拍数・心拍出量の減少および腎臓傍糸球体細胞からのレニン放出抑制(血圧低下)とβ2受容体阻害による血圧上昇を比較した場合にβ1受容体の作用が優位であり、結果として血圧は低下する。

また、β2受容体は気管支拡張にも関与しており、β2受容体遮断により気道狭窄が引き起こされるため気管支喘息の患者に対しての使用は禁忌とされる。

それに対してβ1受容体選択的遮断薬はβ2受容体遮断作用を持たないことから比較的安全に使用することができる。

βブロッカーは他の降圧薬に比べて心血管系イベントの抑制効果は低く、高齢者、耐糖能障害者には第一選択とはならない。

しかし心臓のリモデリング作用があるために狭心症、心筋梗塞、頻脈性不整脈、大動脈解離、心不全を合併を合併する高血圧では良い適応となる。

併用療法ではサイアザイド系利尿薬との併用は代謝面で不利益があると考えられている。

添付文章上はβブロッカーは喘息、高度徐脈では使用禁忌、耐糖能障害、閉塞性肺疾患、末梢動脈疾患にて慎重投与となっている。

βブロッカーの使い分けのパラメータとしてはβ1選択性、内因性交感神経刺激作用(ISA)、α遮断作用、脂溶性、水溶性といったものがあげられる。

おもな使い分けとしては若年中年の狭心症を合併した高血圧の場合はβ1選択性のあるテノーミン(アテノロール)、メインテート(ビソプロロール)、アーチスト(カルベジロール)などが好まれる。

高齢者で心拍数の低下が気になる場合はセレクトール(セリプロロール)などISAがあるものが好まれる。

脂質代謝など代謝面への副作用が気になる場合はαβ遮断薬であるアーチスト(カルベジロール)が好まれ、慢性腎臓病に対する治療にはセロケン(メトプロロール)、アーチスト(カルベジロール)が好まれる。



(続く)


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『高血圧』とは?(4) 『高血圧』の治療は?(2)

●カルシウム拮抗薬

詳細は「カルシウム拮抗剤」を参照

カルシウム拮抗薬(英: Calcium Channel Blocker, CCB)は、血管平滑筋細胞の細胞膜上に存在する電位依存性カルシウム(Ca)イオンチャネルを阻害する薬物であり、その化学構造からジヒドロピリジン系と非ジヒドロピリジン系に細分類される。

筋肉の収縮にはイオンチャネルを介した細胞内へのCa2+の取り込みが大きな役割を担っており、Ca2+の取り込みが低下すると平滑筋の収縮が減弱化し、血圧の低下につながる。

2008年現在、臨床での使用目的に発売されているカルシウム拮抗薬は全てL型カルシウムチャネルを阻害するものであるが、カルシウム拮抗薬の中でもシルニジピンのみ交感神経細胞膜に存在するN型カルシウムチャネルも阻害する作用がある。

下記に示した以外に非ジヒドロピリジン系の薬剤としてベラパミルが知られているが、日本では高血圧に対する適応は認可されておらず、不整脈や虚血性心疾患に対して用いられている。

血管への作用としては静脈より動脈の平滑筋に作用が強く出る。

特に細動脈レベルで効果が発現していると考えられている。

腎臓では輸入細動脈の拡張を行うため、糸球体内圧を上昇させる可能性があり、腎硬化症の進展予防としてはふさわしくないと考えられている。

心臓では洞房結節の興奮頻度の減少や房室結節の伝導抑制が効果があることが知られている。

効果発現が比較的早いため、その他の薬物を積極的に用いる理由がない場合に第一選択として用いられることが多い。



カルシウム拮抗薬は薬物代謝酵素であるCYP3A4を介した代謝を受けることが知られており、同酵素を阻害する薬物の併用により血中濃度の上昇が生じる可能性がある。

グレープフルーツジュース中に含まれる成分も小腸粘膜のCYP3A4を阻害することが知られており、CCBを服用中の患者に対してはグレープフルーツジュースの摂取を避けるように指導する。



カルシウム拮抗薬で降圧薬として用いられるのはジヒドロピリジン系である。

冠痙縮(異型狭心症)が多い日本では第一選択となる場合が多い。

カルシウム拮抗薬は降圧効果が高く、利尿薬、βブロッカーよりも脳卒中の発症のリスクが低くなることが知られている。

特にアムロジピンは最も半減期が長く、長時間作用型であり、血管拡張に伴う反射性の交感神経刺激作用が少ないため頻用されている。

しかしアムロジピンには腎機能悪化抑制効果、蛋白尿抑制効果は少ないとされている。

蛋白尿抑制効果はシルニジピン(アテレック)、エホニジピン(ランデル)、アゼルニジピン(カルブロック)で報告されている。

今日ではエビデンス、医療経済の面から利尿薬も再評価されているが、高尿酸血症の改善作用を持つカルシウム拮抗薬はほとんどない。

例外はシルニジピンであり、尿酸低下作用をもち、利尿薬と併用しやすい(ARBではロサルタンのみが尿酸低下作用をもち、利尿薬との合剤が発売されている)。



●ジヒドロピリジン系


アムロジピン。

ニフェジピン(アダラートなど)やニカルジピン(ペルジピンなど)やアムロジピン(アムロジンやノルバスク)が含まれる分類である。

ニフェジピンはL型カルシウムチャネルのN部位に結合する。血管拡張作用、降圧作用が強く、心筋への作用がほとんどない。

高血圧や冠動脈痙縮症、狭心症でよく用いられる。陰性変力作用や催不整脈作用は殆どないと考えられている。

ニフェジピンは作用発現が早すぎて、心拍数の上昇が認められることがあったが、アダラートLなどは徐放剤とすることでその問題点を克服している。

アダラートカプセルは徐放剤ではないため高血圧緊急症における迅速な降圧の際に以前は用いられたが、過剰な降圧を来したり、かえって虚血性心疾患を誘発したりする可能性があり、現在は勧められない。

ニカルジピンは安定した点滴静注が可能であるため、病棟では好まれる。

ペルジピンの1アンプルは10mg/10mlである。維持量が2〜10γであるため、体重が50Kgならば1γは原液で3ml/hrに相当する。

原液2ml/hrから開始しスケーリング対応で2〜20ml/hrの範囲で維持することが多い。

副作用に頻脈性不整脈があるため心不全を合併している場合は0.5γである1.5ml/hrという低用量からスタートするのが無難である。


アムロジピン(Amlodipine アムロジン、ノルバスクなど)

フェロジピン(Felodipine)

ニカルジピン(Nicardipine ペルジピンなど)

ニフェジピン(Nifedipine アダラートなど)

ニモジピン(Nimodipine)

ニトレンジピン(Nitrendipine)

ニルバジピン(Nilvadipine)

アラニジピン(Aranidipine)

アゼルニジピン(Azelnidipine カルブロックなど)

マニジピン(Manidipine カルスロットなど)

バルニジピン(Barnidipine)

エホニジピン(Efonidipine ランデルなど)

シルニジピン(Cilnidipine アテレックなど)

ベニジピン(Benidipine コニールなど)

非ジヒドロピリジン系

ベンゾジアゼピン系とフェニルアルキルアミン系が含まれるがフェニルアルキルアミン系は降圧薬として使用することは殆どない。

ベンゾチアゼピン系にはジルチアゼム(ヘルベッサーなど)が含まれる。

ジルチアゼムはL型カルシウムチャネルのD部位に結合する。

ベラパミルが結合するV部位とは重なっているため併用すると効果が落ちる原因となる。

心臓にも血管にも作用する。

マイルドな降圧、徐脈作用を期待するときに用いることがある。

房室伝道の抑制、徐脈の作用としてはベラパミルに劣るため、PSVTの停止などではあまり用いない。

静注を行うのは高血圧性緊急症と不安定狭心症の時が多い。

ヘルベッサー1アンプルには50mgが含まれているために3Aを5%ブドウ糖液で溶解させると1.5mg/mlとなる。

体重が50Kgの場合は1γが3mg/hrとなるため2ml/hrで投与すると1γ投与となる。

高血圧性緊急症では5〜15γで不安定狭心症では1〜5γで維持される。

ベンゾチアゼピン系とベンゾジアゼピン系は名称が似ているがまったく異なることに注意。

ジルチアゼム(Diltiazem)


(続く)


posted by ホーライ at 05:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理学総論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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